漢検準2級の合格率ですが、約40%前後。
一方2級だと、約30%近くにまで下がります。
私はどちらも取得していますが、実際、そこまで難しさは変わりません。
しかし、この合格率には明確な差があります。
それは合格基準です。
約70%:(140/200)→準2級
約80%:(160/200)→2級
となっており、この20点分が大きいです。
言い換えれば、この20点分をうまく活用すれば、それほど時間をかけなくとも、準2級の合格は可能だと思っています。
漢検準2級と2級では、勉強の仕方も時間も少し変わります。
漢検準2級のレベルから作戦を考える
次に、範囲の文字数自体から、レベルを比べてみます。
準2級→高校在学程度(約1,950文字)
2級→→高校卒業から一般レベル(約2,100文字)
と、さほど違いはありません。
しかし、これはあくまで漢字の文字数のカウントです。
実際、準2級だと、勉強する前から自分の中で常識として身についているような問題も少しはあったりします。
あくまで目的は約70%(140点)を超えること。
合格ラインが140点ならば、140点でも160点でも、どちらも合格には変わりません。
たくさん時間をかけるに越したことはないですが、できれば効率よく勉強して取得したいのが本音だと思います。
受験料も約3,000円と高いですし、チャンスは年に基本3回。
できれば、短期間かつ1発で合格したいはず。
(漢検2級以上では、残念ながらそうはいきません)
60点分は間違ってもいいのが、準2級のアドバンテージ。
※勉強期間は最低でも3週間として書いてます。
理由は、記憶をある程度定着させるためには、3週間は必要であると思っているからです。
実際に20個の事柄を覚える実験を自分で行った結果、3週間後の記憶の定着率は75%でした。
こちらが実際の記憶の定着率のグラフ。
実験内容はこちらの記事。
2週間だと漢検だけに集中すればとれないことはないと思いますが、そこまでして1週間を削るメリットがありません。
最低でも3週間は勉強して、1発合格を勝ち取ってください。
漢検準2級を最短3週間で合格するポイントは、この4点。
①テキストは1冊に絞る
②テキストを全問解き、以降は不正解だった問題のみ解く
③140点とるために必要な点数配分を考える
④書き練習は、頭に漢字が浮かぶようになってから
(詳細は、同音・同訓漢字のページ)
漢検準2級でも立派な資格です。
就職試験の武器や、大学によっては単位補助にもなります。
持ってて損はありません。
今回は、少しでも合格に近づくために
①おすすめのテキスト・問題集
②それぞれのパートの対策法
③覚えておきたい、間違えそうな問題集
を作っておきました。
※勉強のポイント及び各パートの対策法について、漢検2級と重複している部分については、以下の記事をご覧ください。
※当記事のリンクは、アフィリエイト広告を利用しています。
おすすめのテキスト・問題集について
私が合格したときに使った本がこちらのシリーズです。
「頻出度順漢字検定準2級 合格!問題集」
資格試験には必須だと思っている暗記シートもついており、一番勉強しやすいです。
こちらが最新版。
このシリーズの1冊だけを徹底的に抑えました。
漢検準2級合格のための勉強法
勉強のポイントは別記事で書いた漢検2級verと基本一緒です。
こちらの記事の目次「漢検2級合格のための勉強法」からご覧ください。
漢検準2級を最短で合格する手順
①テキスト内容を知らない状態で全問解く
②正解した漢字にシャーペンやフリクション(できればフリクション)でマルを付ける
③不正解の問題のみ勉強する
④140点以上とるための点数配分を考える
以上4つ手順を意識してみてください。
※最短3週間で試験に臨みたい方は、必ず1日で全問解くこと。
(理由)
準2級は、最初から覚えている漢字も多い場合もあります。
自分が今、どれだけ点数をとれる位置にいるのか、ということを把握してください。
そうすることで
後どれだけの点数が必要なのか
どのパートにどれくらいの時間をかけるべきなのか
ということが分かってきます。
漢検2級→→如何に点数を減らさないか(200点スタート)
漢検準2級→如何に点数を増やすか(0点スタート)
この意識の違いで、私は試験勉強に取り組んでそれぞれの試験に合格しました。
それくらい、この20点の差は大きいです。
この20点の余裕をうまく利用すれば、ある程度短い勉強時間でも一発合格できることは可能だと思います。
漢検準2級合格のためのパート別対策
それぞれのパートに分けて、対策法、間違えそうな問題をまとめました。
それぞれの目標点数も書いておきました。
対策問題を確実に覚えて、残りの部分は参考書で勉強していきましょう。
対策問題は、紹介した「頻出度順漢字検定準2級 合格!問題集(2023版)」を参考にしています。
読み(1点×30)
目標(26/30)
この30点は取り逃せないです。
悪くても落とせるのは4問まで。
()が漢字の読み方の注意点です。全部で20個用意しました。準2級以外の漢字の読みに落とし穴があるので注意。
※本参考書の「熟字訓・当て字」及び「特別な読みの用例」は必ず完璧にしておくことをおすすめします。
対策問題
1 稚拙:ちせつ(拙)
2 寡聞:かぶん(聞)
3 愁嘆場:しゅうたんば(場)
4 煩忙:はんぼう 煩悩:ぼんのう
5 涼風:りょうふう 浦風:うらかぜ
6 禅問答:ぜんもんどう
7 宰相:さいしょう(相)
8 糾→きょう× きゅう〇
9 衣鉢:いはつ(鉢)
10 懐刀:ふところがたな
11 荘厳:そうごん(厳)
12 年俸:ねんぽう(俸)
13 桟橋:さんばし
14 凹凸:おうとつ 凸凹:でこぼこ
15 薫化:くんか(化)
16 未決囚:みけつしゅう(決)
17 嫡=ちゃく 衷=ちゅう 弔=ちょう
18 面持ち:おももち
19 反物:たんもの
20 克己心:こっきしん
部首(1点×10)熟語構成(2点×10)
目標(20/30)
この2つに関しては、対策本に載っている問題を何度も暗記シートを使って復習してください。
部首については、参考書の漢字を覚えるぐらいでいいです。
1点なので、そこまで力はいれなくてもOK。
熟語構成については、2点と配点が大きく、記号問題でもあります。確実に得点していきたいパートです。
この問題集では、熟語が全部で170個。
ここでの20点獲得はかなり有利になるので、しっかりと対策をおすすめします。
対策法については、2級の対策記事の内容と全く同じになります。
以下の記事で詳しく解説しております。
四字熟語(2点×10、2点×5)
目標:(26/30)
このパートは、30点満点を狙いに行って欲しいぐらい重要です。
①四字熟語のレベルも、ある程度有名な熟語が多い
②漢字の書き取りは1字のみ
ここは、きちんと勉強すれば30点近くとれます。
そうすれば、試験をかなり有利に運べます。
問題の形式:10個の四字熟語。
前半:四字熟語の書き取り(20点)
後半:その漢字の意味を選ぶ(10点)
となります。
「載っている四字熟語はとにかく反復」に限りますが、書きで間違えそうな漢字を抜粋しました。
対策問題
1 酔生夢死の「夢」
2 沈思黙考の「沈」
3 怒髪衝天の「髪」
4 当意即妙の「妙」
5 和洋折衷の「衷」
6 禍福得喪の「喪」
7 言行一致の「行」
8 呉越同舟の「呉」
9 人面獣心の「獣」
10 佳人薄命の「薄」
11 危機一髪の「髪」→漢字及び「発」と書かないように
意味要注意!漢検準2級の四字熟語30選
例(安寧○序)
のような感じで出題されます。
1 少壮気鋭(しょうそうきえい)
→若くて勢いが盛ん
(少年・少女の意気があると覚える)
2 色即是空(しきそくぜくう)
→万物の全ては実態ではない
3 森羅万象(しんらばんしょう)
→宇宙全ての現象
(2と3の違いはしっかり覚える)
4 深謀遠慮(しんぼうえんりょ)
→見通した計画を立てる
5 酔生夢死(すいせいむし)
→なんとなく一生を過ごす
6 千紫万紅(せんしばんこう)
→色とりどりに花が咲いている
(数字と紅や紫から、たくさん花があることを想像)
7 東奔西走(とうほんせいそう)
→あちこち忙しく移動する
(東から西まで走っている感じ)
8 当意即妙(とういそくみょう)
→状況に応じて対応
9 美辞麗句(びじれいく)
→うわべだけの言葉
(お世辞と覚える)
10 一汁一菜(いちじゅういっさい)
→質素な食事
11 一朝一夕(いっちょういっせき)
→わずかな時間
(朝起きたらもう夕方か・・・)
12 朝令暮改(ちょうれいぼかい)
→言うことすぐ変わるなこの人
(「朝」」命令したこと「暮れ」にもう変わる
13 朝三暮四(ちょうさんぼし)
→目先にとらわれ、本質を失う
※12と13はどちらもよくない意味ですが、意味を間違わないように気を付けましょう
14 天衣無縫(てんいむほう)
→自然、飾らない人
15 鶏口牛後(けいこうぎゅうご)
→小さな組織で偉い方がいい
16 五里霧中(ごりむちゅう)
→手がかりもなくて、どうしよう
17 呉越同舟(ごえつどうしゅう)
→不仲な2人が同じ場所にいる
18 主客転倒(しゅかくてんとう)
→立場及び物事の順序が逆転
「主」と「客」の立場が転倒(真逆)と覚える
19 竜頭蛇尾(りゅうとうだび)
→最初だけよくて、尻つぼみ
(蛇足の蛇なので、最後の方がよくない)
20 諸行無常(しょぎょうむじょう)
→この世は常に変化している
21 深山幽谷(しんざんゆうこく)
→山奥の遠く離れた場所
22 晴耕雨読(せいこううどく)
→田舎でのんびり
(晴れたら農作業、雨降ったら読書でも)
23 青息吐息(あおいきといき)
→苦しすぎる状況
24 前途洋々(ぜんとようよう)
→未来が希望しかない
25 泰然自若(たいぜんじじゃく)
→冷静、動揺全くなし
26 円転滑脱(えんてんかつだつ)
→スムーズに進行できている
27 比翼連理(ひよくれんり)
→男女の愛が良好
28 面目躍如(めんもくやくじょ)
→世間の期待通りの活躍
29 金科玉条(きんかぎょくじょう)
→大事な大事な規則・法律
30 付和雷同(ふわらいどう)
→自分の意見がなく他人任せ
対義語・類義語(2点×10)
目標:(6/20)
漢検で一番厄介なパートが、対義語・類義語だと思っています。
20点分と配点は大きいですが、悪くても3問ぐらいとれればいいかぐらいに考えて、勉強の優先度を低くするのがおすすめ。
これが、2級では避けれないけど、準2級なら避けれるという、合格点数の差から生まれる作戦です。
テキストだと
Aランクの漢字だけ覚えるぐらいでもOK。
(解き方)
例えば、調和という漢字があるとします。
類義語の場合
①調和の意味が分かっていること
②同じ意味が分かっていること
③均衡の漢字が書けること
ヒントは、ひらがなで書かれている言葉のみです。
この3つを満たして初めて2点獲得です。対義語も同じです。
難しいですし、正答率も高くありません。
同音・同訓漢字(2点×10)
目標:(14/20)
書き問題ですが、同音・同訓は「難しい代わりに範囲が限定できる」のが利点です。得点源になります。
問題集を暗記シートを使って、何度も何度も頭で繰り返し、
頭で漢字が浮かぶようになってから、書き練習に入ること。
※これは全ての書き問題に共通します。
頭にその漢字が浮かぶように、何度もアウトプットしましょう。
書いて覚えるのは時間の無駄かつ、疲れるだけです。
頭で漢字を浮かぶようにする練習を何度もやった方が圧倒的に効率的。
はねるかとめるか、つきだすかつきださないかなど、細かい部分は、最後にやればいいだけ。
例)
1 広告を掲サイする。
2 色サイが美しい写真。
という問題の場合
それぞれの熟語を頭の中で「掲載&色彩」だなと思い浮かべれるように何度も繰り返すのが重要です。
これができてから、書き間違えがないように、載とかの漢字を練習しましょう。
ここ、大事です。
誤字訂正(2点×5)
目標:(6/10)
漢検2級の記事の誤字訂正の勉強法と全く同じです。誤字訂正は、ちょっとしたコツがあります。
例)
①携帯電話の急激な普求(ふきゅうが誤字と見抜く)
②普求を一旦「ふきゅう」とひらがなにして紙に書く
(そうすることで、誤字の記憶を頭から消す)
→正しい漢字を思い出すときに、誤字が思考を邪魔するため
③そこから、普及の漢字を思い出す
こんな感じです。
対策問題
1 拍車(×迫車)
2 老朽(×老旧)
3 撤退(×徹退)
4 実践(やってみること)と実戦(戦うこと)の使い分け
5 研修(×研習)
送りがな(2点×5)
目標:(8/10)
送りがなは、確実に得点していきたいパートです。
対策問題
1 嘆かわしいの「送りがな」
2 狂おしいの「送りがな」
3 惜しいの「惜」
4 懲りるの「懲」
5 煩わしいの「煩」&「送りがな」
書き取り(2点×25)
目標:(40/50)
これで合計146点で合格基準に達します。
書き取りは全50点分と1/4を占めます。
80%程度は正解しておきたいです。
最後に
漢検準2級は、1ヶ月に満たない勉強期間でも、効率的に対策すれば合格も充分可能です。
また、準2級を勉強することは、漢検2級を受ける際にも大きなアドバンテージにもなります。
合格を目指して頑張ってください。
あなたの漢検準2級の無事合格を祈っています。
(こちらも合わせてどうぞ)
ブックスタンドを使って勉強してみよう!
コメント